2011年06月17日

はしれちいさいきかんしゃ

「はしれちいさいきかんしゃ」
福音館書店 発行
イブ・スパング・オルセン 作・絵

駅の構内で貨車を引いたり押したりせっせと働く小さい機関車は、あんまり小さいので遠くへ行かせてもらえませんでした。
「せめてとなりのまちまでいきたいな」
ちいさいきかんしゃはときどきためいきをつきました。…そんなある日。

こういう、機関車の擬人化ものを見るとついつい思い出すのが「いたずらきかんしゃちゅうちゅう」なのですが、……この小さい機関車は、そこまで無茶苦茶ではないかな。とはいえ、結構はげしいことをやってくれます。

線路を脱線してしまったのはこの機関車のせいではないのですが(ポイントを切り替えちゃった駅員さんのせい)、脱線して地面の上を走り出した機関車はイエンセンさんのおうちへ、どーん!
でもイエンセンさんは何が起こったか見もせずに「だあれ?あしふきで泥を落としてらっしゃい」
ここで真面目にバックして、足ふきできゅっきゅっと泥をふく機関車がかわいい!そして車輪で踏みにじられて糸くずになってとびちっちゃう足ふき、せつない(笑)。
イエンセンさんに「きゃー!」とびっくりされた機関車は、慌てて逃げ出して裏庭で物干し柱に正面衝突し、洗濯物ごと柱をさらってしまいます。それを見ていたお百姓が「イエンセンさんの洗濯物のおでかけだ」と呑気に言うのが楽しい。

…そう、なんというか、全編のんきなんです。見てる人も、「きゃー!」ってびっくりするのはイエンセンさんくらいで、お百姓も男の子も駅員さんも、「ふーん」って見送ってるんですよね。
そののどかさがなんともいえない。
あとこれは、翻訳の方の手柄かもしれませんが、機関車の走る擬音がなんともいい感じ!線路の上を走っているときは「ダダグンシュッシュ!」と走る機関車、線路を脱線して地面の上を走るときは「ズズズンシュッシュ!」と走ります。しゅっしゅっぶわぶわごっとん、といって線路に戻ったり、シーッシッシッシ、といって止まったり。
読み上手の方が読んだらきっと楽しいだろうなあ。少し長い物語に我慢できるようになった男の子なら大喜びだと思います。

「つきのぼうや」を書いたイブ・スパング・オルセンの作品です。いきいきした絵が多くてあきません。機会があれば、どうぞ・


posted by 麻井由紀 at 19:24| Comment(0) | 絵本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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