すずき出版 発行
垣内磯子 作
田中清代 絵
お風呂に入って、肩までつかって百数えてね、だるまさんがころんだ、を十回よ、とお母さんに言われたけんくん。さっそく数え始めますが、けんくんが「だ、る、ま、さ、ん、が、こ、ろ、ん、だ」というと、あれあれ、山のお寺でだるまさんがすってんころりん!
けんくんは魔法の力でも持ってるんでしょうか。お風呂場の中でつぶやくだけで、山のお寺でだるまさんがすってんころりん!だるまさんばっかりじゃつまらないなと「う、み、ぼ、う、ず、が、こ、ろ、ん、だ」ととなえると、海の中で海坊主もすってんころりん!てんぐもおばけもすってんころりん!!
…という愉快な話なのですが、……愉快が愉快で終わらないのが、田中清代さんの絵の力……。
だるまさんはともかく、海坊主こわい!おばけ怖い!そしてなぜかピンクのパンツをはいている天狗がリアル!
特に天狗は、みーがどうしても天狗だと理解してくれなくて「これ、人間だよう。だっておめんかぶってるし、パンツピンクだし、すね毛もはえてるもん」……と。
……すね毛は関係ないと思う。
まあでも確かに、リアルすぎると天狗に見えないものですね。とくにみーのイメージする天狗はだるまちゃんとてんぐちゃんの天狗ですからね。大人サイズの天狗が受け付けないのかもしれません。
お話はおもしろいのですが、妙に無気味なこの一冊。
インパクトが欲しいときに、どうぞ。
そういや、さいとうしのぶさんの新刊が出てた…。でも、おはなし、ではなくて、絵本のページの中からテントウムシや星、お花を捜しましょう、という「ミッケ」風の作りの本だったので、手を出しませんでした。図書館に入ったら借りようっと。